「楽」について

私の愛車はスズキのアルト。乗車中は時にFMを聞いたりします。 先日もふとラジオをつけると、東大講師のロバート・キャンベルさんの公開講義の様子が放送されていました。その番組の司会は脳科学で有名な茂木健一郎さん。講義内容は… 「楽」という字を考察することで、現在の私達の立ち位置・これからのスタンス等を検討する みたいな…?? うわー、いかにも大学の講義!面白そうと思い、聞いてみることにしたんです。 キャンベルさんの専門は江戸時代の文学。 …まずそれ、知らんかった 江戸時代の文学者達は長きにわたり、この「楽」について検討していたんだそうです。ある学者は “あー早く寝たい”と思い、寝ることができたらそれは安楽な状態だが、ずっと寝続けてもいられず、今度はその状況が苦痛になり起きる。でもまた起き続けてもいられずまた“あー早く寝たい”と感じる。このように、苦と楽を行き来することが「楽」である。と言っているそうです。 キャンベルさん曰く、これは日本人独特の日本人らしい思考なんだそうです。それ、外国人に教わるかっ すると司会の茂木さんは「これは脳科学的にも言えることなんです」と。簡単に手に入れた楽(喜び)より苦労してやっと手に入れた楽の方がより脳が喜んでいることが分かっているそうですよ。 これは実感として分かりますよね。 また橘曙覧という江戸末期の歌人は楽しみは~から始まり、~時と締める句を50首ほど作っていて、それはいつも日常の小さな幸せを上手に見つけて詠んでいるのです。この人は寺子屋の先生をしており、3人の子供達と奥さんの5人家族でした。 ☆たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来りて銭くれし時 ☆たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき この2首なんて、貧しい暮らしが見て取れる小さな幸せ こんなのもあります。 ☆たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき ☆たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時 200年前の人と現代を生きる私、同じことで幸せを共有してるなぁ。 長くなりましたが、とにかく…辛い思い、苦労を重ねた時間、そんなもの達が「楽」にさせてくれる。そう感じる心を日本人はきっとDNAに組み込まれている、と思います だから頑張ろ~、「楽」見つけよ~!! 大阪府箕面市の西尾理絵フルート教室の新ホームページはこちら